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このブログでは、エジプトのポジティブな情報をお伝えしています。
ピラミッドとスフィンクス
今回は、ルクソールの観光名所の一つ、メムノンの巨像についてです。
古代エジプト新王国時代には、都「テーベ」として栄えた現在のルクソール。
ルクソールは、ナイル川を境に、東岸と西岸に分かれます。
古代エジプトでは、東岸を「生者のまち」、西岸を「死者のまち」としていました。
メムノンの巨像は、西岸に位置します。
多くの観光客が滞在する東岸から西岸へ行くには、ナイル川沿いを走り、大きな橋を越えていきます。
エジプト、特に南エジプトは、砂漠が広がり緑が少ないと思われがちですが、ナイル川沿いには、素敵なグリーントンネルもありますよ。
ナイル川沿いグリーントンネル
そして、ルクソール大橋を越えてゆきます。
時間帯によっては、ナイルクルーズが橋の下を通り過ぎたり、停泊しているところも見られます。
大橋を渡ると、左右に2つの村が。
その村の間の畑道をまっすぐ王家の谷方面へ進んで行くと、右手に突如現れるのが、このメムノンの巨像!
いきなり出現するので、びっくりするかもしれません。
高さ約18mのアメンホテプ3世像です。
メムノンという呼び名は、ギリシアの伝説「トロイア戦争」に登場するエチオピア王のメムノーンに由来するそう。
この巨像は、2つあり、並んだ像を写真に撮ると、こんな感じ。
どうですか?映えますよね!
巨像のすぐ隣には、広大な麦畑が広がっていて、エジプト人が歴史と共に生活しているのがわかります。
巨像のすぐ後ろでは、今も発掘作業が行われています。
もともとは、背後にアメンホテプ3世の葬祭殿が控えていたためです。
第19王朝のファラオであったメルエンプタハが、自身の葬祭殿の石材調達のため、その葬祭殿を破壊してしまったんだとか。
また、このメムノンの巨像には、興味深い伝説があります。
それは、向かって右側の像から、夜明けになると、うめき声や口笛のような音が聞こえるというもの。
この”メムノンの巨像が声を出す”という現象は、当時のガイド達によって脚色され、メムノンの死別した母への呼び声だとされました。
それからというもの、メムノンの巨像の声を聴こうと詰めかける人たちで、ここは一気に観光地化したといいます。
その中には、第14代ローマ皇帝であったハドリアヌス帝とその奥さんもいました。
ハドリアヌス帝夫人は「日の出後の最初の一時間のうちに、メムノンの声を二度聴いた」という証言を残しています。
現在も、メムノンの巨像の台座には、彼らが書き記した署名や詩が残されていて、エジプト総督なども大勢訪れていたことが確認できます。
その後、メムノンの巨像は、セプティミウス・セウェルス帝によって、下に落ちていた像の上半身を取り付けられました。
すると、その後、像が声を出すことはなくなったといいます。
(紀元前27年の地震でできたヒビが原因で、音は気温差や朝露の蒸発のせいと、現在では言われていますが)
今は、もうその声が聴けないとなると、ちょっと残念な気もしますね…
ルクソールを訪れる際は、ぜひメムノンの巨像にも足を運んでみてくださいね。
ということで、今回は、メムノンの巨像についてでした!