ピラミッドとスフィンクス
今回は、日系VCによるエジプトのスタートアップへの新たな出資のニュースです。
2022年3月7日、日本の大手ベンチャーキャピタル(VC)のglobalbrain(グローバル・ブレイン)が、エジプトのヘルスケアテック企業のchefaa(シェファア)に出資を発表しました。
アフリカ地域への出資は、これが初めてとなるそう。
シェファアは、エジプトにおける国民の医薬品アクセスの向上を目指すヘルステックです。
(※ ヘルステックとは、Health(健康)とTechnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語。医療や創薬、介護、予防といった領域の課題を解決する企業や技術の総称。)
(画像:chefaaHPより)
シェファアは、近くの薬局から、医薬品や消費財などを配達するデジタル薬局を主軸とした包括的な医療サービスプラットフォームを提供しています。
エジプトでは、薬局によって在庫状況にばらつきがあり、患者が近くの薬局で薬を入手できないという問題が。
このプラットフォームを通じて、患者が処方箋をアップロードすると、在庫を持つ最寄りの薬局から最短時間で薬を受け取ることができるシステムです。
2021年12月時点では、シェファアを通じた注文数は月間約7万件まで増加。
エジプト国内の提携薬局は、1,000店舗を超えたといいます。
グローバル・ブレイン代表取締役社長いわく、『シェファアはデジタル薬局だけでなく、国内初のアラビア語による医療メディアや、24時間対応可能な薬相談窓口を設置するなど、地域の医薬品リテラシーの向上にも貢献している。シェファアの経営層を高く評価しており、中東・北アフリカ地域における医薬品市場の成長ポテンシャルなども考慮した上で出資を決定した』とのこと。
シェファアのように、ITを駆使し、課題解決を目指す動きは、エジプトの多くのスタートアップ企業で見られます。
金融、物流、農業などの分野でも、社会の課題解決をビジネスにつなげようと試みるテック系スタートアップが増えています。
2021年には、アップルやグーグルにも出資していた米国有力VCのSequoia Capital(セイコア・キャピタル)から、デジタルバンキングを提供するTelda(テルダ)、ECのFlextock(フレックストック)などが出資を受けました。
また、日系VCのケップル(Kepple Africa Ventures)からは、エンタープライズのMinly(ミンリー)、ECのCartona(カートナ/ カルトナ)、物流プラットフォームのIlla(イラ)などが出資を受けています。
詳しくは、こちらの記事をどうぞ↓
今回のグローバル・ブレインをはじめ、海外VCからも注目されているエジプトのスタートアップ。
今後も、ポテンシャルを秘めたエジプト市場への出資が期待できるのではないでしょうか。
エジプトの更なる成長が楽しみです!
ということで、今回は、日系VCの新たなエジプトへの出資についてでした。
必要とする方の参考になれば幸いです。