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エジプト、2050年に向けた気候変動の国家戦略を導入!

ピラミッドとスフィンクス

 

エジプト政府は5月、2050年までの持続可能な経済成長と市民生活の質の改善、資源・環境保全に関する国家戦略「National Climate Change Strategy 2050」を立ち上げました。

 

(画像:エジプト環境省National Climate Change Strategy 2050より)

 

2022年11月にエジプトで開催される国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)の前に、気候変動に特化した長期的な国家戦略を打ち出したかたちです。

 

COP27について、詳しくはこちらの記事をどうぞ↓

 

 ムスタファ・マドブーリー首相は、

 

「気候変動は、水資源や食料確保の脅威となり、国家安全保障にも影響する重要な課題」

 

「エジプトの温室効果ガス排出量は世界の0.6%に満たないが、エジプトは海面上昇や気温上昇などによる農業、水資源への影響が大きい国の1つ」

 

と述べ、気候変動対策を重視する姿勢を示しています。

 

ちなみに、エジプトの国家戦略は、以下の5つの目標で構成されています。

 

(1)持続的な経済成長と低炭素社会の実現

 

(2)気候変動に向けた適応能力と弾力性の強化、気候変動による影響の緩和

 

(3)気候変動対策のガバナンス強化

 

(4)気候金融インフラの強化

 

(5)気候変動に対応するための科学研究、技術移転、知識管理、意識向上の強化

(画像:エジプト環境省National Climate Change Strategy 2050より)

 

対策分野別にみると、電力分野では、風力や太陽光発電、グリーン水素、ブルー水素、バイオ燃料、原子力などの活用も計画。

 

蓄電設備更新や送配電設備改善、工業分野の省エネ化も進めるとしています。

 

輸送分野では、自動車や船のガソリンから天然ガス利用への転換、電気自動車・充電スタンドの普及、地下鉄・電車などの公共交通機関整備を目指すエジプト。

 

廃棄物処理分野では、リサイクルの取り組みを掲げています。

 

そのほか、海面上昇や気温上昇の影響に備えて、農業分野では、農地・緑化拡大やストレス耐性作物の導入、灌漑・水資源分野では、灌漑の整備や再生水利用などを進めるとしています。

(画像:エジプト環境省National Climate Change Strategy 2050より)

 

このプロジェクトにかかる費用として、気候変動の緩和対策(2,110億ドル)と適応対策(1,130億ドル)、合計3,240億ドルを見込んでいるとのこと。

 

グリーン債(環境債)発行を含む国家予算のほか、2国間支援や国連、世界銀行、欧州復興開発銀行など、国際機関の支援を要請。

 

6月に入ってからも、国際協力相が欧州投資銀行に環境分野への支援を要請しています。

 

今後も、気候変動に関するエジプトの動向に注目していきたいところです!

 

 ということで、今回は、2050年に向けた国家気候変動戦略の導入についてでした。

 

必要とする方の参考になれば幸いです。

 参考:エジプト環境省ジェトロ