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海外からの投資チャンス! ?エジプトが利上げを決定、通貨は大幅切り下げへ!

ピラミッドとスフィンクス

 

今回は、エジプトの利上げ&通貨切り下げのニュースについてです。

 

エジプト中央銀行は、3月21日、緊急の金融政策委員会を開催し、政策金利を8.75%から1ポイント利上げし、9.75%とすることを決定しました。

 

中銀は、物価上昇率の目標を7%(±2%)と定めており、2月時点の消費者物価上昇率は8.8%にまで達していました。

 

今回の利上げは、2017年5月22日以来となります。

 

これを受け、エジプト国民銀行(National Bank of Egypt)やミスル銀行(Banque Misr)などの銀行では、1年定期が18%台に上昇し、窓口には米ドルをエジプトポンドへ替え、定期預金する人々の長蛇の列が!

 

新行政首都に新設中のBanque Misr

 

エジプトでは、世界的な物価上昇やウクライナ情勢の悪化を受け、食料や燃料などが上昇。

 

特に、エジプトは世界最大の小麦輸入国であり、ロシアとウクライナからの輸入が約85%を占めています。

 

小麦価格が高騰するなか、主食であるパンの値上がりに苦慮しています。

 

アエーシマスル(エジプトパン)

 

また、中東に位置しながら、石油を輸入に依存することから、燃料高も響いており、コロナ禍で観光収入が大幅減となっていた中での複合危機状態。

 

通貨エジプト・ポンドは、2020年以降、1ドル15.7エジプトポンド程度で安定していましたが、中銀が為替レートの柔軟化を容認する姿勢を示したことから、3月24日時点では、18.3エジプトポンドと約16%もの大幅な切り下げとなっています。

 

ポンド円も、円高傾向に。

 

 

エジプト政府は、国際通貨基金(IMF)に支援を要請。

 

それを受け、IMFは、3月23日、エジプト政府と支援について協議中であることを発表。

 

IMFは、「為替レートの柔軟性を実装するための行動は歓迎すべきステップ」だとし、「エジプト当局と緊密に協力して、包括的な中期的成長という共通の目標を支援する目的で、計画の準備をしている。」とのこと。

 

2016年にもIMFから支援を受けたエジプト。

 

貿易・観光収入に依存し、対外債務があるエジプトでは、IMFの支援も含め、返済額をうまく回せるかどうかが鍵となってきそうです。

 

米国の金利上昇が確定的であることや、中国の景況がさえないことなども考慮すると、新興国であるエジプトのリスクは大きいといえるかもしれません。

 

このように、リスクは切り離せないものの、場合によってはプラス材料になることも。

 

通貨の切り下げは、海外からの投資呼び込みや輸出競争力の向上につながります。

 

現在、新行政首都(New Capital)の開発を進めているエジプト。

 

新行政首都(New Capital)

詳しくは、こちらの記事をどうぞ↓

 

COP27のエジプト開催も決定し、スマートシティとして再生可能エネルギーの活用なども期待されています。

 

エジプト政府は、環境関連・新産業の誘致に向け、税優遇策を1月に発表したばかり。

 

外資系ホテルなども、次々と新首都に参入しています。

 

今回の件は、海外からの投資家にとっては、更なるチャンス到来と言えるかもしれません。

 

引き続き、今後のエジプト情勢に注目していきたいところです。

 

ということで、今回はエジプトの利上げ&通貨切り下げのニュースについてでした。

 

必要とする方の参考になれば、幸いです!

 

参考:IMFジェトロエジプト中央銀行